ぜぶらいと

オタクごと:リアルごと=8:2ぐらい。の予定。

【感想】舞台 99(ナインティナイン)

※ネタバレあり

 

4月9日から11日に舞台99を見てきました!推し俳優の!初の!単独主演公演!!!本当にどれだけ待ち望んだことか...いつぞやの個人イベントで「いつかは主役をやりたい」と言ってたのが印象的だったので感慨深かったです。

 

運営があまりにも残念というかぐだぐだで*1かなり不安だったけど無事に幕が開いてよかったですね!

 

あらすじはこんな感じ。こちらのページから引用します。

本作は 亀田真二郎が脚本、冨田昌則が演出・アクション監督を務める、歌ありダンスありのコメディ作品。物語は、傷害事件を起こして警察に捕まった、かつてのトップスター・神木坂つばさを中心に展開する。スターの座を取り戻すため、鬼教官・黒澤と共に刑務所内でレッスンを行うつばさは、歌にダンスに殺陣にと、楽しく囚人生活を送っていた。しかし、彼は冤罪だったのではという疑惑が持ち上がり……。

 

The 刑務所コメディ!こんなに気持ちよく笑えるオリジナル舞台久しぶりに観てる!脚本を最大限に活かした役者さん方の演技が絶妙で元気が出る!歌やダンスもあり、アクションシーンもあって盛りだくさん。コメディで自由度が高いので、細かいところやメインの動き以外も含めたら随所が日替わり状態で何回でも楽しめます。

 

以下は詳細ネタバレあり。感情のままに書くので観た人にしか伝わらない感想。

 

主人公の神木坂つばさくんの「愛され力」がすごい。関わる人間みんながいい方向に変わるの、分かるわ〜の気持ちになる。涼星くんの、誰からも愛される人柄に通じるところがあるなぁと。子役時代に売れても天狗にならずに真っ直ぐに育ったんだろうな、というのが伝わってきて素敵。あと、涼星くんの痛ましさが見える演技が好きだなぁと改めて。誰も自分の言うことを信じてくれないときの悲痛な表情が脳裏に刻まれる。そして、ラストシーンで全てを乗り越えた後のキラキラ感の振り幅よ。好き。

脚本は何も悪くないけど、涼星くんが美しすぎて「ゴツくもなりすぎず、こんなに綺麗に成長したのに干されるのか...??むしろ別路線の仕事いっぱい来そうでは...??」の域に達してしまった。背が伸びても「可愛くない」レッテル貼られにくそうな雰囲気なんだけどなぁ笑

囚人服を着てても隠しきれないスタイルのよさって何事ぞ。

 

準主演の黒澤刑務官は「推しが急に目の前に現れたオタク」そのもので、嫌なやつ感が全開の登場の仕方をしたからギャップが大きくて、本当に面白い。全ての行動が面白い(そして「オタク」は傍からみたらこんな風に見えるのか、と反省したくなった笑)から、この舞台全体の笑いの半分近くをかっさらっていた気がする。役が美味しすぎる。セリフ量が1番多いし殺陣も主演より見せ場があるので、クレジット隠して本編だけ見て「さぁこの公演の主演は誰でしょう??」ってクイズをされたら、いなせさんって答えてしまうかもしれない。私はいなせさんも大好きなのでモヤモヤは全然ないけど。座組の人数が偶数なのもあって、カテコでセンターライン跨いで2人で立ってるし実質W主演扱いに近いものはあると思う。

やべー奴なのに本当に国家公務員なの...?と一瞬は思うけど、ちゃんと序盤の森山局長とのシーンや初対面の淡路島兄とのシーンでは外面がよくて*2、社会性が必要な場面では上手くやってるんだろうなと分かるのがズルい。最高。

好きなところ挙げるとキリがない。一切乱れないきっちりオールバックの髪型も、砂山さん相手の殺陣でメキメキって音するタイプの攻撃するのも馬乗りになる暴力性も、つばさと一緒に森山局長と戦う前にネクタイ緩めるところも。序盤のヤバめの強火同担拒否みたいなところも可愛いんだよな...実際いたら絶対関わりたくないけど。推しにお茶のペットボトル持ってくる時にスキップしてるところとか、タブレットで時に真剣に時にニヤニヤしながらつばさのダンスシーンを撮影したり鑑賞したりする場面は愛しさが溢れますね。あと、パンフの喫煙シーンは反則すぎる。セクシー。

 

囚人たちも個性的で良い!全員細かい日替わり面白すぎ。特に赤澤くんの確定一発ギャグは度胸含めて全力で讃えたい。

変に生々しくなると「コメディ」から外れてしまうだろうから今の塩梅が正解だとは思うけど、それぞれがどんな罪で捕まったのかは普通に気になる。セブンとマツイは、DTへの対応とかがナチュラルな差別感あるし若干治安も悪そうだから暴力とか恐喝か交通違反あたりかなぁ。DTは典型的な追い詰められたら爆発するタイプだと思うので、その過程で何か物とか壊しててもおかしくなさそう。ジュニアは本当に謎...全く犯罪者に見えない。その上、日替わり次第ではご両親も息子の逮捕をだいぶポップに扱ってるから個人事業で知らず知らずに脱税してたとか?もしくは無自覚に結婚詐欺の実行犯やらされてた、ぐらいがしっくりくるかもしれない。どの程度のことで刑務所に入るかの知識が皆無なので、的外れだったらごめんなさい。

割と序盤の、囚人たちが刑務作業しているところの状況説明ソング?が舞台ながらの演出ですごく好き。

 

演出として他にいいなと思ったのが、冒頭すぐの滝沢刑務官の空の歌と、中盤の山場のつばさのソロで後ろの空の背景と歌詞がリンクしているところ。刑務所の中と外では見える空は同じだけど、近くに見えても届かないんですよ...。あれは泣くよね。あのシーンのつばさ、歌に乗ってで心情がびしびし伝わってきて毎回震える。

 

そして脚本が、無駄が無くて、でもちゃんと状況説明が完了している場面が多くて見る度に感心する。例の滝沢刑務官の歌は、「せっかくガチミュージカル歌手がいるし!」というだけではなくて、前述の通りつばさの歌の伏線にもなっている。先に歌唱力を見せておくことで発声練習のくだりもスムーズだし、終盤のオペラにも繋がるし。高すぎる歌唱力は一周回ってシュールギャグになるんですね。新テニミュで三船コーチに対して抱いたのと近い感情が芽生えたよね。

黒澤が序盤で連呼した「社会のゴミ」「人間のクズ」を、つばさが「僕もそうなのかな?」と言って間接的に自分に跳ね返ってくるのが、胸がギュっとなる。他にも、このフレーズや状況がこう活きるんだ!と思う箇所が多くていい。舞台上でつばさと出会う前から、黒澤がつばさの大ファンだと説明セリフなしで状況説明するのなんかも鮮やかだし。なんならDTの自己紹介の「妖怪サマーウォーズ*3」のくだりで、黒澤がただ「中学生刑事」が好きなのではなく、他の出演作までカバーしていることも自然に分かる。つばさとの1:1での会話シーンで自分が語る前に。

1点だけ言うなら、終盤の悪役はカメラを奪った瞬間に壊そうとしてもいいと思う。砂川さんの身軽なアクションが凄すぎて忘れそうになるけど、「カメラ壊せば全部終わるやん!」の気持ちを常に頭の隅に抱えながら見ることになるので。色々とツッコミどころは他にもあるけど、個人的には「コメディなので」で受け入れられる範囲でした。

 

あと、愚痴みたいになるけど!主演の殺陣はもうちょっと描き方どうにかならなかったのか⁈まともに効いてるように見える攻撃の少なさよ。美味しいところは最後の回し蹴りぐらい?敵が実質3人で、坂佐口先生と黒澤が1人ずつ倒して残り1人がラスボスなので仕方ないかもしれないけど。アクションシーン、ドタバタで楽しいのにこれだけ最後ちょっとチクッとしてしまう。つばさが倒れた黒澤の手を引いて起こすところとか、胸熱シーンもいっぱいあるのはあるんですが!

 

10日まではカテコで涼星くんが喋らない*4のがデフォルトで寂しかったんですが、11日からは進行役も最後の挨拶も言ってくれて嬉しい!自分が行けるのはまた週末からだけどますます楽しみ!

 

以下は箇条書きで、ただの願望。

・つばさくんの出所後の映画、「大学生侍」再撮影もあります??ちらっとでいいので映像見たいですね!!

・日本舞踊の稽古、存在だけ匂わされてめちゃくちゃ気になるので見せて欲しい笑

・この作品が映像で残らないのは損失だと思うので、もう定点配信映像でも構わないので円盤化してほしい。

・せっかく音楽も気合入れてるだろうし、開演前に流れてるBGMが劇中歌アレンジなのも素敵なので円盤が無理ならCDでも。

・つばさくんの大学での私服ショットと、映画での衣装ショットの詰まった写真集が欲しいです。(ただの田中涼星写真集では?とか言わない)

 

以上!!

*1:チケットの売り方とか宣伝とか物販とか。私はうまくまとめられないけど、ちょっと検索かけただけでもファンの阿鼻叫喚を見れば察していただけるかと。

*2:「受刑者の方のご家族ですか?ご用件は?」みたいなのめちゃくちゃ良くないですか?その後に名刺投げ捨てて豹変するところまで含めて。

*3:ちなみにここで「神木坂つばさ」が、「神●隆●介」のモジリだと確信。本物の「成功した子役上がりのスター」だから、むしろ堂々とお名前パロって拝借できるんだろうな笑

*4:挨拶の進行とかも別の方がされていたので