ぜぶらいと

オタクごと:リアルごと=8:2ぐらい。の予定。

推し香水レポ -舞台『99』 神木坂つばさ・黒澤編-

ここ最近、オタク界隈で流行しているCelesさんの「推し香水」を自分も頼んでみました!

 

 

解釈に沿った香水を選んでもらう手間をかけていただいて、50プッシュ分で1本あたり¥1700+送料¥450...??コスパが良すぎないですか...??しかも期間限定企画の予定だったものが恒常化したらしいです。これでいつでも「自分の解釈した推しの概念」が届けられる素晴らしい世界に!

 

初回注文である今回は、舞台『99』の主人公「神木坂つばさ」と、主要登場人物の「黒澤」イメージでオーダーしました。

舞台99、本当にすごい作品だったんです...円盤はまだ発売されていないんですが*1、千秋楽が終わって2ヶ月半経っても自分の心の中で変わらず煌めいています。気になった方は、以下のゲネプロレポートをご覧ください。文章もお写真もとっても素敵!

 

推し香水を注文しようと思ったのは、Twitterの相互フォロワーの結奈さんの記事を読んだのがきっかけでした。「狂ったオタク」の熱意はすごい(全力で褒めてます)。正直、私の記事の99倍面白くて有意義だと思うので、以下のリンクの記事はぜひ読んでください!オススメ!

 

推し香水を頼んだら感想をブログに書きたいなという気持ちはあったので、同じ人物2本だとパクリみたいになりそうかな...

と思っていたところ、「同じお題で他の人の解釈が見たい」旨の発言をされていたのでありがたく注文しました!(もちろんDM会話済でブログリンクなど掲載許可はいただいてます。)

 

 

実際の香水レポの前に、自分がどんな文章で注文したかを記載しておきます。

 

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<2本共通>

「推し香水」を2本注文させていただきます。いずれも2021年4月に上演された舞台『99』の登場人物で、「神木坂つばさ」と「黒澤」(ファーストネーム不明)です。


※可能であればビジュアル確認でこちらの記事のお写真を見ていただければ幸いです。

https://25jigen.jp/report/43083

 

以下、このフォームでは「神木坂つばさ/黒澤」について記載します。

別注文の「黒澤/神木坂つばさ」と2本合わせて読まれた上でセレクトいただきたいです。

 

◆神木坂つばさ


舞台『99』の主人公。一人称は「僕」。「干された元子役」。芸能人。かつて主演映画『中学生刑事』で一世を風靡したが、その後のヒット作に恵まれず、世間から半ば忘れられた存在になっている。現在の年齢は20代前半。後に冤罪だと発覚するが、暴行罪の容疑で刑務所に収監された。黒幕を自らと仲間の手で倒して疑いを晴らし、出所後は映画の世界に返り咲く。

 

【特に考慮いただきたい要素】


●「神木坂つばさ」と「黒澤」はお互いにとって相手が人生の「光」である。


つばさは、かつての恩師を含めた周りの人間が自分が無実であることを聞き入れてくれず、心が折れて映画界への復帰を諦めそうになっていた。この時に黒澤が言った「君が銀幕の向こうで輝く姿を見たい人間はここにいる」という言葉は、救いになったはず。

また、刑務官の黒澤に出会うことがなければ、つばさは冤罪の疑いを晴らすことができず、「犯罪者」のレッテルを貼られたまま一生を終えることになったと思われる。

 

 

【その他 お伝えしたい要素(必要に応じてのピックアップで大丈夫です)】


・愛される人柄。笑顔がかわいく、あらゆる行動に性格の良さが出る。口調は固くなりすぎない程度に丁寧で、好感が持てる。刑務所の人間は、彼が来てから皆いい方向への変化が起こった。


・刑務所内でのダンスレッスンでは「華がある」「好き」「いい」など好意的に評された。人を惹きつける魅力がある。


・気が強いわけではなく押しにも弱いが、芯はしっかりしている。どんなに追い込まれても、「犯していない罪を認める」ことは一切なかった。自分を陥れた黒幕には最終的に「本当のクズはあんただ」と言って、素手で戦うことを選ぶ。

 

 

◆黒澤


舞台『99』の主要登場人物(実質準主役)。一人称は「俺」。北海道出身の刑務官。年齢は20代後半〜30代前半。担当する囚人達からは「悪魔」「人の心がない」と恐れられている。「顔が気に入らない」などの理不尽な理由で懲罰を喰らわす。神木坂つばさの大ファン。つばさが刑務所に来てから行動が激変する。つばさの収監理由が冤罪だと知り、黒幕を突き止めて、つばさと共に戦う。

 

【特に考慮いただきたい要素】


●「黒澤」と「神木坂つばさ」はお互いにとって相手が人生の「光」である。


黒澤は学生時代、学校に馴染めず暗い生活を送っていた。そんな中、つばさが出演する映画を見て「自分と大して歳も変わらない人間がこんなにエネルギッシュに輝いているなんて」と勇気をもらっていた。つばさ本人に対しても「君は光」「神木坂つばさの光が私の人生を照らした」と語る。

また、つばさと出会ったことで行動が変化し、囚人に暴力を振るわなくなるなど、いい影響があった。

 

 

【その他 お伝えしたい要素(必要に応じてのピックアップで大丈夫です)】


・「嫌な奴」だったのに、いつの間にか「憎めない奴」になり、最後には「大好きな奴」になっている印象。


・つばさに対しては「ファン」というより、いわゆる「オタク」に近い。初対面の時には震える手で握手を求めた。何をしても褒める。過保護。つばさのために刑務所の職業訓練を芸能特化の内容に変更した。


・口が非常に悪い。「ゴミクズクソ野郎」「殺すぞ」などの語彙が日常的に登場する。しかし、尊敬する上司や外部の人間への対応はまともで有能な印象。


・つばさの映画の影響で刑務官になった。初期に囚人に対して当たりが強いのは、拗らせた勧善懲悪思想のためだと思われる。

 

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「この要素が抜けてる、やり直し」「自分ならこの言い回しはしない」「解釈違い」などと感じたそこの貴方!ぜひご自身の解釈の推し香水を頼んでみてください。そしてもし何かしらの媒体で感想書かれるのであればリンクを教えていただければとっても嬉しいです、ぜひ読ませていただきたいので!

 

ここからは実際に届いた香水の感想です。

今までの人生で自分で買った香水がこれ以外だと2本だけという香水超初心者の主観なので、的外れなことを言っているかもしれませんがご容赦ください。

 

まずはつばさ香水。

J-Scent – Shaft of Light (光芒)

こ、これは...どこかで見たことがあるような文字列??...と思い、フォロワーさんが注文した「神木坂つばさ」推し香水と同じ銘柄だと気付く。香水を受け取る前日にレポを読んでました。

その、たかなしさんの素敵なレポはこちら(掲載許可いただいてます)

 

あと、トップは爽やかさをこれでもかとアピールしてきてミドルで清純派の顔してる()くせに、ラストがすんごい、すんごい大人の男の香りがする………めちゃくちゃ落ち着いた男の香りがするよぉ……涙…これもう舞台99の10数年後の神木坂つばさの香りじゃん。幼少期の栄光、青年期の挫折を乗り越えて再び輝き、30代後半になって自分の人生を改めて振り返った時のつばさの香り(もう意味がわからん)

 

ここの部分が特に印象に残っていたので、プッシュする前から「30代後半の大人のつばさと今から向き合うのか...⁉︎」*2と心臓バクバクでした。

 

まず、トップノート。めちゃくちゃ爽やか!柑橘系っぽい。ちょっと和風みが強いけど「シーブリーズです」って言われても私の感性ならギリギリ通せそうなぐらい。若々しくて、子役時代に『中学生刑事』などで世間を賑わせ、華々しく活躍したつばさくんのイメージに重なるのかなと。

そしてミドルノート。言葉を選ばずに正直な感想を言うと、昔使っていた虫除けスプレーの香りに近い。トップの柑橘系の香りはすぐに飛んで、割と早い段階でこちらに移行した気がします。この香りが好き!という方ももちろんたくさんいらっしゃると思うし、私も決して嫌いではないのですが、個人的には「香水としては自分は好まないかなぁ」という印象でした。これは、ヒット作に恵まれず、俳優としてはあまり評価されずに過ごした上、冤罪で刑務所に収監された期間のつばさくんとしましょう。ちょっと無理があるかもしれないけど、自分で楽しむ分にはこじつけたもん勝ちです。

そして、しばらく経ってのラストノート。「大人の香り」これかーーーー!!!え、なんかあの虫除けっぽさが飛んで落ち着いて、とても安らぎのある香りが残りました。「ウッディな」ってこういう香りの表現になるのかな?でもこの香りは、決して突然出てきたものではなくて、トップノートの時からほのかに香っていたのと同じなんですよね、きっと。柑橘系や他の香りの方が強く香るので、ぱっとは気付かないけどずっとそこにあった。他の要素が飛んで、はっきり見えるようになってきた。どんな時でも芯はぶれず、犯していない罪は絶対に認めなかったつばさくんのイメージと重ねて、勝手に感慨深くなりました。この香水と同じく、歳を重ねるごとにその時に応じた魅力の出てくる素敵な俳優さんになりそうですね!と彼の未来を思って微笑ましくなりました。将来は缶コーヒーのCMとか出て欲しい。

 

Celesさんの解説*3や公式ページの紹介*4を読んでみても、感じた香りの方向性は概ね間違ってなさそう!(先にたかなしさんのレポを見ていたのでカンニングしていただけとも言う笑)

 

確かに、つばさはもっと華やかな香りがセレクトされるのかな?と思っていましたが、自然で親しみのある香りで、これはこれでいいですね!つばさって、どんだけ役者として売れても、いい意味で庶民枠ではありそうじゃないですか?天狗にならず、バラエティ番組での番宣とかも嫌な顔せずちゃんと出てくれそうだし。ヒル◯ンデスとか。お茶の間からの好感度高そう。

 

 

次に黒澤香水。

L’artisan Parfumeur – Nuit de Tubereuse

「夜」だ!Tから始まる単語はよく分からんが、Nuitは夜だって第二外国語フラ語取ってた大学時代の自分が遠い記憶から叫んでくる。

「黒」だから「夜」ってそんな安直な...??とか失礼なことを思いながら嗅いだら...そこは夜でした。なんて言ったらいいんだろうな、大人の魅力ってこういうことか、って感じ。万人受けする香りじゃない気がするけど、好きな人はめちゃくちゃ好きだろうなと。花の香りに満ちているのに、どこかお香っぽくて不思議だなぁと思いました。少し時間が経つと、良く嗅いだら「スパイスっぽい」感じ...??香水知識が無さすぎて、この香りを知ってる人からしたら「何言ってんだこいつ」って思われるんだろうなと、ちょっと恥ずかしいですね。解説ないとどれがトップでミドルでラストかも分からん!!

というわけで、Celesさんの解説*5と公式ページ*6を確認。トップ・ミドル・ラストの解説はありませんでした!「いくつもの表情を見せ」るらしいし、時間経って香りが変わってきたなとは思う!!香水詳しくなってから再度レポチャレンジしたいね!

 

香水のタイトルになっている「チューベローズ」が分からなかったので調べたら、白い綺麗なお花でした。花言葉が「危険な快楽」でぶっ倒れそうになりました。ホシカゲヒカリ*7をイメージしながら、囚人たちに理不尽な仕打ちを喰らわせていた黒澤かな...??

 

 

ここまではムエットにつけた香りの感想です。そしてここで別のフォロワーさんのレポを思い出す。雪さんの想像力豊かでワクワクするレポはこちら(もちろんこちらも掲載許可をいただいています)

 

ところで、香水って人肌に吹きかけるとまたちょっと香り方が異なるそうですね。

というわけで吹きかけてみました、人肌に。

※中略

軽い気持ちで吹きかけました。ゆうてそんなに変わらんだろうとも思ってました。

まじでひっくり返りました。


甘い!!!香りが!!!!するんですが!!

これは人肌でも試してみなければ!と、右手の甲につばさ、左手の甲に黒澤の香水を吹きかけました。

ちょっっっと待って、待って、待って。おい黒澤、黒澤さんよ。あなた表情を変えすぎじゃないですか。何それびっくりしたよ⁈ムエットにかけていた時よりずっと、甘い香りがするんです。かっこいいけど、どこかとっつきにくかったさっきと全然違う。この香り、好きだ。しかもね、他の香りが飛ぶのか、最後には甘さの部分が中心で残るんですよ。はーーーー、そんなのアリですか?ずるいよ、最高だよ。

・「嫌な奴」だったのに、いつの間にか「憎めない奴」になり、最後には「大好きな奴」になっている印象。

自分の書いた文章が綺麗に回収された瞬間だなと思いました。香水の最初の状態が「嫌」とかだったわけではないけど、評価の変わり方として。あと、黒澤が人によって露骨に態度を変える*8ところともリンクして、微笑ましくなりました。香水って、つける人次第で多少香りが変わるそうですね。私より体温の高い人につけてもらっても面白そうだな。

もう一方のつばさの方が、肌につけてもムエットの時とそこまで印象が変わらなかったのも、「芯がぶれない」ことがなお強く意識されてよかったです!ただ、これは黒澤の変わり方があまりにもすごかったので気付きにくかっただけで、実は見落とし(嗅ぎ落とし?)かもしれないので、近日中につばさオンリーでも改めて検証しようと思います!

 

 

今回、せっかく複数本で頼めるということで、2本をまとめて読んだ上で解釈して欲しいと依頼しました。ラストにつばさと黒澤が2人で見つめ合うシーンがすごく好きなので、どうしてもセットで考えたくて。

焦点を当てて欲しいと書いたのは『お互いにとって相手が人生の「光」である』という部分でした。

つばさ香水のタイトルでもある『光芒』。自分には馴染みのない単語だったので意味を調べたら、『尾を引くように見える光のすじ。ひとすじの光。』とのこと。学校に馴染めず、暗い学生生活を送っていた黒澤にとって、つばさの存在はまさにひとすじの光だったのだろうな、と納得しました。そう思うと黒澤の香水が『夜』モチーフだったのもイメージ通りです。*9

でも、「つばさが黒澤にとっての光」は表現されているけど、その逆は?...ここで、時間が経って気付きました。黒澤の香水の方が、香りの持続力が高いんです。つばさの香りが微かになっても、黒澤の香りは強く残っている。つばさの心が折れそうになった時にも、絶対に諦めず、「刑務所内での映画撮影」という方向に舵を切った*10黒澤に重なって、舞台99を思い出して涙が出そうになりました。円盤欲しいね。今日は七夕だから願いが叶ったりしないかな。

 

はい!締めが雑だけど、推し香水レポでした!

 

そもそも「解釈によって選ばれるものが変わる」ことが、「自分の解釈した推し」が楽しめるという意味で最高なサービスだなと思います!コロナがなければ同じお題でやったオタクたちで集まってお互いの香水を嗅ぎ合うみたいなオフ会したかった...99クラスタのフォロワーさん方、コロナ明けたら円盤鑑賞会したいですね!円盤が出るように毎日祈り続けたいと思います!あと徳も積みます!

以上!!

*1:現時点で発売される予定はないんですが、「ない」より「まだない」の方が可能性がありそうでポジティブでいいなと思ったのでこの言い回しにしています。配信クオリティそのままでいいので円盤ください。

*2:ちなみに前日に『当然つばさも歳とるはずなんですけど、自分の中でその認識が抜け落ちてた?意識してなかったので「30代後半の大人の神木坂つばさ」の力が強かったです』とリプ送っていたんですよ。まさか自分もこの直後に嗅げることになるとは。

*3:https://www.celes-perfume.com/product/j-scent-shaft-of-light/

*4:https://www.luz-store.com/smartphone/detail.html?id=000000000129

*5:https://www.celes-perfume.com/product/lartisan-parfumeur-nuit-de-tubereuse/

*6:https://latelierdesparfums.jp/products/nuit-de-tubereuse-edp-spray

*7:『中学生刑事』でつばさが演じていた役名です

*8:つばさへの過保護感。囚人たちや所長への当たりの強さ。森山局長(初期)や部外者への礼儀の正しさetc

*9:ちなみにつばさの香水のCeles解説には「爽やかな朝」の記述があり、時間軸でも対になっています。

*10:犯人探しも並行してやっているんだから本当にすごいものです。