ぜぶらいと

オタクごと:リアルごと=8:2ぐらい。の予定。

「初見で鉄ミュを観る」こと

ここ最近、「鉄ミュは初心者がとっつきにくいジャンルになっているのでは?」のような話をよく見るので。自分語りしたくなったのと、もろもろを後で自分で読み返せるように文章化しておきたくなった、が動機の自己満足。タイトルの『初見』の意味合いは、「原作未読で」に近い。

 

私が鉄ミュを初めて観たのは、鉄ミュ2の東京前楽だった。きっかけは、以前に別記事で書いた内容と重複するが、以下の流れ。

テニミュの連番がきっかけで仲良くなったフォロワーさんと、現場関係なく渋谷で晩ご飯を食べる約束があった。そのフォロワーさんは、おそらく「好きなテニミュキャストが出ているから」きっかけで鉄ミュ1を観ており、2も観劇した感想をつぶやいていた。「たなかりょーせいくんのことが気になっている人は絶対に見たほうがいい」のような趣旨の発言があり、「テニミュでりょーせいくんに興味がわいているところだったこと」「ちょうど当日に渋谷でご飯を食べる予定があること*1」「その人とテニス以外にも共通の話題があると楽しそうだと思ったこと」が重なり、せっかくだしと翌日昼の当日引換券を購入した。

結果としては、「たなかりょーせいくんのことが気になる人間」としては大正解の観劇体験だった。前はだけの服?それすら脱いで上半身まる裸で歌う?初音ミクのコスプレがある?ED曲の割り振りもはや主役では?事前情報なしだと情報量がすごくて、最後列の一番端に近い席だったが満足感が半端なかった。

ただ、正直なことを言うと、舞台全体としては「なんか全てがよく分からなかった」が第一の感想だった。まず、話が分からない。これは自責だが前日に観劇を決めたので、どんなあらすじなのかや舞台の雰囲気も全く知らなかった。観劇前、購入したパンフレットをぱらぱらとはめくったが、特に鉄道に詳しくない関西私鉄沿線出身の人間からすると、そもそも路線の名前も似たようなものが多くて混同しやすい。東海道新幹線と山陽新幹線ぐらいしかまともに分からん*2。同じような色の同じような服を着た人間が多くて見分けがつかない。最後列のため、役者の顔で見分けることもできない。出演キャストを8代目出身の3人ぐらいしか知らないので、声を聴き分けて判別するのも難しい。原作も知らず、鉄道ネタにも詳しくないので「これは何を伝えたい話?」となる場面が多々あった。

しんどかったのは、もうほぼ「仕上がった」状態になっているような雰囲気。今思えばそうだよな、円盤に入らない東京前楽だもん。おそらく日替わりでアドリブやネタが入り、本筋とは違うんだろうなという箇所でどっかんどっかん発生する笑い。笑い声にかき消され、普通に聞こえてきても理解の難しい話の情報の何%かを拾えない。多くの人が笑っている中で自分がそれを理解できないのは、例えば行かなかったクラス会で発生したネタが翌日に「クラス公認」の雰囲気になっていてぽつんとした寂しさを感じるような、ちょっとした疎外感があった。

「半分も理解できなくて悔しい!絶対にネタを理解できるようになってもう一回この作品を観てやる。」そう思った私は、終演後に円盤を予約し、原作のコミックスを2冊買っていた。正直、鉄ミュのことは「内輪ノリ」が存在している舞台だとは思う。でも、私にとっては「きっと、鉄道ネタに詳しかったり原作を履修してキャラ理解してる人は私より何倍もこの空間が楽しいんだろうな!羨ましい!」という捉え方だったし、その「輪」に入りたいと思った。だって、客席にいる人たちがとても楽しそうだったから。

また、幸いなことに、私にとっては楽曲と相性がよかったのも大きい。キャッチーな曲は、一部歌詞が拾えなくても、聞いているだけで楽しかった。特に秋田新幹線が熊を倒して食べるだけの曲は、何も考えずに聞けて(褒めてます)癒しの時間だった。ちなみに後に観劇した舞台『初恋モンスター』でも、「曲好きだなー」と思ってパンフを見て、鉄ミュと同じ人だからか、と腹落ちした。

鉄ミュ2の円盤を受け取ってからは、誇張抜きで2ヶ月近くほぼ毎日鑑賞した。実家に戻ってからは祖母に「何年もぶりにピアノの発表会出るんかなと思った」と言われるほど、耳コピで鉄ミュ曲を弾いたりもした*3。そこから鉄ミュにどっぷりハマって今*4に至る。

 

ちなみに、私は鉄ミュのことを初見人間に優しくないコンテンツだとは思ってはいない。が、色々と特殊なので、触れ方が良くないと二度目はない人もいるだろうし、そもそも触れたくならないだろうなという人がいるのもなんとなく理解はできる。

今回、鉄ミュ5で完全初見人間2人にそれぞれ別の回で連番していただいた。結果、一方は「めっちゃ楽しかったので過去作も観てみようと思った*5」、もう一方も「次回作も関西で公演があったらぜひ呼んでほしい*6」とのことで、上々の反応だった。

どちらの相手にも、観劇前に1時間程度ご飯を食べながら以下のことを説明した。

  • 想像以上にあらゆる曲で手拍子すること(バテるので全力を出す必要はないこと)
  • ショートショート方式であること
  • 声出しを求められる場面は声を出すこと(「兄さん」と「会長」はざっくり意味も解説)
  • HPのキャスト一覧を見ながら一言キャラ紹介(「そーぶさんは千葉のヤンキー」とかそのレベル)
  • ざっくり知っといた方がいいこと(「新幹線と在来は上官部下」「所属会社ごとに制服が違う」「学ランが出てきたら昔の話」)

鉄ミュ5は、公式として公演前の車掌前説でちゃんと「こういう場面では声を出してほしい」旨の説明があるので、仮にここらへんの話を知らなかったとしても優しいなと思う。個人的には、鉄ミュ2で本当に何も前情報がないと「会長万歳」は何がなんだかよく分からなかったので(あの一言があったとてよく分からんよ、って言われたらそれはそうだが。少なくとも客席に対する「えええ なんでこの人たちこんな順応できてんのこわ*7」感は軽減したと思うので。)過剰に「知らないから入りにくい」舞台だと思わなくて大丈夫だと思う!あと、自論としてはタイミングが合うかつ現場慣れてる人なら配信より一回現地に来てもらうのがオススメ。客席の雰囲気込みで「考えるな感じろ」状態の方がたぶん楽しいから。

あと、語弊ある(語弊しかない)かもしれないけど「似た色の似たような服着た人間がいっぱいいる」問題は極論原作でも起こると思ってて。原作はほぼ毎回「◯◯線」を各話ごとに入れてくれているので「誰だか分からない」ことはないが、「この人、どんな人だったっけ?」は頻繁に起こる。出る人数が限られる*8上に、白黒ではなく色がついているかつ声も聞こえる舞台は、実は割ととっつきやすい気がする。

「複数回乗車が多い故に、笑い声や日替わりに対する拍手・盛り上げ声(fooooo!!)でセリフなどが聞こえない状態になる」問題は確かにあったと思うので、通う人間ほど気をつけていきたいね。

ところで鉄ミュくん、こんだけ盛り上がれる乗客のテンションの高まりを感じて、レルライ第2弾を開催してみてはどうでしょう?私は、前回は映像のみの出演だったえつ上官にLIVEとしてペンラを振りたいしうちわを作りたいです!!

なんか本筋から逸れた気はするけど以上!

*1:鉄ミュ2の東京公演は今はなきAiiAシアター

*2:JR神戸線と京都線が「東海道本線」であることは後に知り、「え!!めっちゃ地元近くにいるしお世話になったことあるやん!!」になった

*3:この時に1番弾いてて楽しかったつながる曲が、EDの青い森鉄道なので、もう一度でいいから生で聴きたいです。しゅーてぃー、鉄ミュに戻ってこんか?

*4:鉄ミュ5は14/19公演チケ所持。1公演が中止になって結果13公演観劇

*5:とのことだったので鉄ミュ3の円盤を押し付けました。2は他の人に貸出中だった。

*6:地下ミュが関西で開催しないのが残念でならないのでナンバリング6弾でもぜひ神戸公演を開催してほしい

*7:今思えばおそろしい割合で複数回乗車だからだよ

*8:とはいえ本編2時間切ってるのにアンサンブル含めて30路線出ているのは確かに初見だとハードルは高い気もするが