ぜぶらいと

オタクごと:リアルごと=8:2ぐらい。の予定。

今週のお題「好きなお店」

今週のお題「好きなお店」

 

一度しか行ったことがないけれど、好きなお店がある。

そこは、出張先の福岡で、1人で入った小料理屋だ。訪れたのは偶然だった。

出席したイベントの立食パーティーがあり、お酒と会話は楽しんだが、もう少し何か食べたい、と思うぐらいの腹具合。同じグループの何人かは、「二次会で屋台に行こう」と盛り上がっていた。半年前に私用で福岡の屋台に並んだ経験からすると、輪に加わるには人数が多すぎる。1人でホテルに帰ることにした。コンビニで何か買うのも味気ない気がして、Googleマップを開き、「1人飲み」の検索に引っかかった店に入った。

 

通りから奥まった場所にあり、調べていなければ入るのは多少の勇気が要る立地だったかもしれない。料理はどれも家庭的で美味しくて、ちょうどいい量が盛られていたので食べやすかった。料金も良心的。落ち着いた店の雰囲気も好みだ。最初の注文が届いてからしばらく経った頃、1人でお店を切り盛りしている*1女主人から「何がきっかけでご来店されました?」のようなことを話しかけられた。Googleマップ検索で、と答えると「最近同じようなきっかけで来てくださる女性のお客様が増えて嬉しい」と笑みを浮かべた。

ほどなくして、常連さんと思われる1人客の女性が来店し、私と1つ飛ばしのカウンター席に着いた。流れで3人で話すことになる。世間話をしたり、周辺のおすすめスポットを教えてもらったりした。予想通り、店名は女主人のファーストネームであるらしい。念願だった自分の店が持てて嬉しいことや、新メニューの試行錯誤の話などは聞いていて温かい気持ちになった。

 

「仲が良さそうだし、常連さんはそろそろ女主人と2人で話したいかな」と思い、お会計をしようとすると、常連さんから「◯◯さん(女主人)の手羽先煮込みはとろっとろでとっても美味しいんですよ。ぜひおすすめします。」との言葉。この居心地の良い空間に、まだいて欲しいと言われたようで嬉しかった。当然、手羽先も絶品だった。

 

「同じ出張先に行く先輩がそこに泊まるから」という理由で予約したその日のホテル。出張の目的地からも主要駅からもそれなりに離れており、自分の判断では選ばなかっただろう。なぜわざわざそこにしたのだろう?と思っていたが、その人にとっても「好きなお店」が近くにあったりするのかもしれないなぁ、と思ったりした。

 

コロナが落ち着いて、普段通りの日常に戻った際にまたぜひ訪れたい。

*1:少なくともその時間帯は